たとえば、「昨日はごちそうさま」から入ってもいいし、
「何々がうれしかった」でも「あの店の餃子は旨い!」でもいい。
"自分の一行"が、いま目の前にはいないけれども手紙の向こうにいる
"あなた"に対する呼びかけになるんです。
メールがなぜここまで広がったかというと、話し言葉で書けたからでしょう。
手紙も、もっと話すように書けばいいんです。
手紙にはメールと違って絵文字はないけれど、そのぶん、
空白なのか絵なのか、絵文字的な遊び心を使えばいいと思うんです。
ということは、当然、どのくらいの長さの手紙が適当か、
などと考える必要もないと思う。
1行でも3行でも、便箋10枚にわたっても構わない。
一番大事なのは、自分が言いたいことを出すことです。
「もう春ですね」というだけを伝えたい人が、
そこに水増しする必要もないでしょう?
つまり、自分の言いたいことが長さなんですね。
同じような意味で、僕は、手紙を書くときは手書き派です。
実は作詞をするときも、絶対に手書きなんですよ。
それはたぶん、言葉と言葉の間、1行置いてから考える時の、
ペンをもった"間(ま)"が好きだからです。
直筆には、それが正直に出るんですね。
たとえば、「川」でも力強い川と弱い川、大河も小川もいろいろある。
でも、パソコンで書くと川は川。手書きならその違いが出る。
僕も映画のシナリオとか脚本とか、構成が重要な原稿はパソコンを使いますが、
もっと感情を伝える文章なら手書きのほうがいいと思う。
手書きを薦める理由はもう一つあって、
手紙を書くときの心構えとつながっています。
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